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【書評】東野圭吾著『希望の糸』の感想【ネタバレなし】

みなさんこんにちは。サイジです。さて本記事は東野圭吾著『希望の糸』の感想をネタバレなしでまとめていきます。ミステリーの最前線で活躍し続ける東野圭吾さんの新たな代表作が生まれました。ネタバレはしない程度に作品の魅力を余すことなくお伝えしていきますので、ぜひお立ち読みください。

本日の流れは以下のようになっています。

1『希望の糸』のあらすじ【ネタバレなし】
2「映画化かドラマ化するんだろうな」と直感的に買った作品
3物語は静かに進行していく。最初を耐えれば中盤から衝撃が走り始める
4加賀恭一郎シリーズの中で新たに代表作となる予感
5登場人物たちがかかる苦悩の中で生み出された珠玉の言葉から家族のかたちが見える
6こんな人にオススメ
7これから家族を持つ(であろう)ぼくとしては考えさせられた作品

それでは本題に移っていきましょう。

1『希望の糸』のあらすじ【ネタバレなし】

父・真次の遺言書を読んだ芳原亜矢子はその内容に驚愕する。今まで出会ったことのない松宮脩平という名前が遺産相続人として書かれていたからだ。亜矢子は遺言書に書かれていた松宮を探しに、そして父と松宮との関係を明確にさせるために行動する。一方松宮は、喫茶店店主殺害事件の捜査にあたっていた。聞き取り捜査を進めてもだれ一人被害者のことを悪く言う人はおらず捜査は難航するが、いとこの加賀恭一郎との会話をきっかけに事件の真相を紐解いていく。そこにはむやみに立ち入ってはいけない衝撃の真実が待ち受けていた。

2「映画化かドラマ化するんだろうな」と直感的に買った作品

本屋さんに積まれているのを見たとき、直感的に「映画化かドラマ化されるな」と思って購入しました。先見の明が欲しかったんです。でもタイトルもきれいだし、著者が東野圭吾さんだし、加賀恭一郎シリーズなので、映像化は無難だと感じました。何より、物語がおもしろいですしね。

3物語は静かに進行していく。最初を耐えれば中盤から衝撃が走り始める

物語の序盤は伏線をまき散らしているので、かなり静かに進んでいきます。でも松宮が抱くほんの小さな違和感を松宮と一緒に丁寧にたどっていくと、217ページで、ある衝撃の事実が浮かび上がってきます。

4加賀恭一郎シリーズの中で新たに代表作となる予感

先述したように、『希望の糸』は加賀恭一郎シリーズで最新作となります。ただ、今回の主人公は松宮脩平であり、加賀は松宮が事件の真相にたどり着くうえで重要なキーパーソンとなる立ち位置です。映像では松宮を溝端淳平さんが演じていましたので、頭の中では溝端さんが演技している光景がありました。事件内容自体はガリレオシリーズほど作りこまれたものではありませんが、事件の裏にある人間模様が秀逸です。その秀逸さゆえ、事件を起きてしまった悲哀さも感じ取れます。

5登場人物たちがかかる苦悩の中で生み出された珠玉の言葉から家族のかたちが見える

松宮と真次の関係、被害者と容疑者の関係から家族のかたちとは何なのかという命題を突きつけられます。登場人物はすでに彼らなりの答えを導き出しているんですが、共通点を見つけたときはかなり感動します。ネタバレしない程度にセリフを抜き出してみます。

「遺伝子なんて関係ない、そんなものくそくらえよ」P244
「それって、そんなに大事なこと?」P336

この2つのセリフに共通性を感じたとき、深く感動しますね。P336からはじっくり読んでみてください。その後の文章でもあなたはこの物語のとりことなります。

また、帯にも掲載されていましたが、加賀恭一郎が名言を残していたので、ご紹介します。

「刑事というのは、真相を解明すればいいというものではない。取調室だけではなく、本人たちによって引き出されるべき真実もある。その見極めに頭を悩ませるのが、いい刑事だ」

このセリフに、ガリレオシリーズ主人公の湯川教授との共通性が浮き彫りになった気がします。湯川教授は科学によって事件の真相へとたどり着きますが、容疑者自ら話をさせるようなアプローチを取っています。それは湯川教授が刑事ではないという立場を充分に理解しているからというのもあるんでしょう。しかしもう少し視点を変えると、東野圭吾さんが事件の真相をデリケートなものとして慎重に取り上げるという姿勢が作品を通じて伝わってきます。

6こんな人にオススメ

『希望の糸』は以下に当てはまる方々にオススメです。

・加賀恭一郎シリーズが好きな人
・東野圭吾さんの作品が好きな人
・家族をテーマにした人間ドラマが好きな人
・ミステリーが好きな人
・子どもを持つ親の方

7これから家族を持つ(であろう)ぼくとしては考えさせられた作品

来年に結婚式を挙げて、将来的に子どもを考えているぼくにとっては非常に考えさせられた現代的な作品です。答えは人によって変わるものなので正解がないものだから余計難しいですが、独身が普段まじめに考えない家族について考える機会を持てるのでめちゃくちゃいい作品ですね。物語もおもしろいですし。