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【教育者は一読の価値あり】『ケーキの切れない非行少年たち』の要約・まとめ

みなさんこんにちは。サイジです。

読書で悩む人
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『ケーキの切れない非行少年たち』の内容を知りたい

こちらのご要望を解決していきます。

本書は少年たちが非行行為をする原因が知的なハンディを背負っている可能性が高いことを明らかにし、彼らを適切に支援したいという著者・宮口幸治さんの思いが込められています。

以下の3つに当てはまる方は、本書をオススメします。

・教育関係の仕事(塾講師・学校の先生など)をしている人
・子どもの教育に悩む親御さん
・これから子どもを持ちたいと考えている人

・教育関係の仕事(塾講師・学校の先生など)をしている人

本書では非行少年ばかりではなく、一般的な少年にも言及されています。

他の子どもたちと比べてもなんら大差はないですが、勉強が苦手だったり、指示されたことを守れない子どもは一定数存在します。

彼らはもしかすると知的ハンディを背負っているかもしれません。本書はその知識を提供してくれるきっかけになります。

・子どもの教育に悩む親御さん

発達障害は診断次第でわかるようになってきましたが、知的障害はまだまだ見過ごされることが多くあるようです。

本書はその発見を助けてくれる1冊です。

「感覚的にでも自分の子どもはもしかしたらなにかハンディを背負っているのかもしれない」と思われたのであれば手に取ってみる価値はあります。

・これから子どもを持ちたいと考えている人

子どもを持つ前に知識として知っておいたほうがいい内容がつまっています。

もし生まれた子どもが何らかの知的ハンディを背負っているとします。

それに気づかず注意したり叱ったりすると子どもは委縮してウソをつき、非行行為をしてしまう可能性もあります。

親が知識を知っているだけでも対応は変わるはずなので、子育ての予習だと思って読んでみてください。

特に以下の悩みを抱えている方にはオススメです。

・子どもにいろんな教育を施しているが効果が見られない
・非行少年との適切なかかわり方を知りたい
・勉強ができない子どもたちを何とかしてあげたい

著者も同様の悩みを抱え、なかなか解決できずにいたようで、本書の大半はそのもどかしさと葛藤が書かれています。新書ながら熱い思いが込められていました。

『ケーキの切れない非行少年たち』の要約・まとめ

それでは『ケーキの切れない非行少年たち』の要約をご紹介します。

要約①:非行少年は「見る」「聞く」「想像する」の力が弱い
要約②:ゆがんだ思考を矯正させる教育プログラムは知的ハンディを背負った少年には適切ではない
要約③:少年たちが変わるきっかけは「自己への気づき」と「自己評価の向上」である

一つずつご紹介していきます。

要約①:非行少年は「見る」「聞く」「想像する」の力が弱い

こちらが伝えたい情報が正確に子どもに伝わらず支援が空回りしたり、子どもがどんなに一生懸命計画を立てて頑張っても最初の情報が歪んでいるので明後日の方向に向かって進んでしまう、という結果を招くのです。

『ケーキの切れない非行少年たち』p50

著者が一貫して主張しているのは、非行少年、または非行に走ってしまう子どもたちは「見る力」「聞く力」「想像する力」が弱いことです。

これを強化しない限りは反省させようとしても効果が見られません。

それはそもそも反省するための力が不足しているからなんです。

「見る力」「聞く力」「想像する力」の3つを鍛えることが何よりも重要です。

要約②:ゆがんだ思考を矯正させる教育プログラムは知的ハンディを背負った少年には適切ではない

更生のためには、自分のやった非行としっかり向き合うこと、被害者のことも考えて内省すること、自己洞察などが必要ですが、そもそもその力がないのです。つまり「反省以前の問題」なのです。

『ケーキの切れない非行少年たち』p22

現行の少年院の教育プログラムは、非行少年の考え方を適切に修正するようにつくられていますが、これでは効果が見られないと著者は言います。

つまり、充分に考えられることを前提に教育プログラムが実施されます。

しかし「見る力」「聞く力」「想像する力」が弱い子どもたちは、しっかり考えることができないので、いくら厳しく指導しても肩透かしのような結果になってしまいます。

だからこそ、そういった認知機能の強化が急がれます。

要約③:少年たちが変わるきっかけは「自己への気づき」と「自己評価の向上」である

子どもの心の扉を開くには、子ども自身がハッする気づきの体験が最も大切であり、我々大人の役割は、説教や叱責によって無理やり扉を開けさせることではなく、子ども自身に出来るだけ多くの気づきの場を提供することなのです。

『ケーキの切れない非行少年たち』p153

著者の宮口さんは、変わろうと思った非行少年たちの声を聞いて、自分とはどんな人間なのかを理解する「自己への気づき」と「自己評価の向上」こそが大切だといいます。

それが子ども自身でできるようになるために大人が支援する必要があります。

子どもの心の扉のドアノブは内側にしかないのです。

それを無理やりこじ開けようとしても逆効果なので、子ども自身から開けられるようにしてあげることが大切です。

『ケーキの切れない非行少年たち』の書評

続いて、『ケーキの切れない非行少年たち』の書評をご紹介します。

書評①:社会に気づかれない子どもたちにも光を照らした一冊
書評②:文章からあふれ出している著者の葛藤と信念が刺さる

それぞれご紹介します。

書評①:社会に気づかれない子どもたちにも光を照らした一冊

非行少年たちだけではなく、社会から見過ごされているけれど実は、知的ハンディを背負っている子どもたちにも光を当てています。

彼らは大人から「勉強ができない」「指示されたことを守れない」と評価を下されてしまいます。

大人が本書の知識を理解していると「この子はハンディを背負っているのかもしれない」と気づくことができるかもしれません。

それで救えることもたちも増えるので、本書は社会に存在すべき一冊です。

書評②:文章からあふれ出している著者の葛藤と信念が刺さる

著者・宮口さんの文章を読んでいると現行制度では子どもたちを十分に支援できないもどかしさと葛藤があふれています。

それと同時に「支援したい」という芯のある思いがひしひしと伝わってくるので胸が熱くなります。

お笑い芸人のカズレーザーが「激ハマリした」と書いた帯の意味を考えながら読んでいたんですが、内容もさることながら著者の強い思いにハマったんじゃないでしょうか。

最後に

新書ながら熱い思いが伝わってくる『ケーキの切れない非行少年たち』。

タイトルに負けしない刺激的な内容がつまっています。

子どもとかかわりに深い仕事や親御さんは一度手に取ってもらいたいです。

著者が課題にしている「見る力」「聞く力」「想像する力」の認知機能の向上は、「コグトレ(認知機能強化トレーニング)」が有効です。

医療少年院で約5年かけて開発され、一定の結果が出ています。