みなさんこんにちは。サイジです。
こちらのご要望を解決していきます。
本記事は、以下に当てはまる方に向けて書いています。
「感動する小説を読みたい」
「女性が主人公のお仕事小説が読みたい」
「スピーチライターってどういう仕事なんだろう」と思っている
2017年にはWOWOWでドラマ化もされています。比嘉愛未さんが主演を務めていました。
目次
『本日は、お日柄もよく』のあらすじ

OL二宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が出るほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された! 目頭が熱くなるお仕事小説。
『本日は、お日柄もよく』裏表紙より
スピーチライターとは、人の心を動かすためにスピーチする本人に代わって原稿を作成する仕事です。
オバマ前大統領の「YES WE CAN」もスピーチライターがつくったといわれています。
2015年では神木隆之介と広瀬すずがダブル主演のドラマ、「学校のカイダン」もスピーチライターが用いられていました。
影の職業といわれるスピーチライターですが、最近おもてに出てくるようになっています。
『本日は、お日柄もよく』はスピーチライターの職業を取り扱っているので、感動ポイントが多いです。
冒頭から心に刺さる言葉が出てくるので「感動したい!」という方は手に取ってみてください。
『本日は、お日柄もよく』の著者紹介

原田マハ
1962年、東京生まれ。関西学院文学部、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年独立後フリーランスのキュレーターとして活躍。05年、「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞。著書に『本日は、お日柄もよく』『ジヴェルニーの食卓』『あなたは、誰かの大切な人』『異邦人』『モダン』『ラブコメ』(共著)などがある。
『本日は、お日柄もよく』カバー表紙より
※キュレーターとは、専門知識を活かして美術品の研究や管理を行う職業のことをいいます。
原田さんはニューヨーク近代美術館で勤務経験があるほど美術への造詣が深く、美術に関連した作品が多くあります。
ですが素人でも読みやすく、美術の教養を深めるきっかけとして読むと楽しめます。
美術系以外の作品もたくさんあり、愛犬家なら『一分間だけ』がオススメです。
『本日は、お日柄もよく』の特徴・感想

『本日は、お日柄もよく』の特徴・感想を3つにまとめました。
特徴・感想①:軽快さと重厚さの両面を併せ持つストーリー
特徴・感想②:心にしみわたるセリフ
特徴・感想③:スピーチライターの入門書
一つずつ解説していきます。
特徴・感想①:軽快さと重厚さの両面をあわせ持つストーリー
あーっだめだ。やばいやばい。猛烈に眠い。ああ、ダリの絵だ。全部、溶けてく……。ガシャン。
『本日は、お日柄もよく』p7より
私は、自分自身が病魔と闘って、気づいたことがあります。日本国憲法第九条が絶対であるように、日本国憲法第二十五条も絶対なのです。私はいつも、このふたつの憲法を誇りに思い、胸に抱きしめています。死ぬまで、抱きしめて参ります。
『本日は、お日柄もよく』p34~35より
総理、思い出してください。
平和が戦争を封じこめ、強気が弱きを助ける国。それが私たちの国、日本なのです。
スピーチライターのお仕事小説に恋愛や政治が絡み合ってきます。
恋愛ではポップさがあり、政治の場面では厳しさが際立っています。
軽すぎず重すぎずちょうどいいバランスで読み進められます。
地の文自体がスピーチになっている箇所も多く、かなり読みやすいですね。
特徴・感想②:心にしみわたるセリフ
最後の言葉が、彼女の口から離れた瞬間。あたたかな、実にあたたかな拍手が、会場を埋め尽くした。
『本日は、お日柄もよく』p27より
『本日は、お日柄もよく』の魅力は、これでもかというくらい感動ポイントが多いところです。
スピーチライターの小説なので、登場人物がスピーチするたびに心揺さぶられます。
またぼくたち読者はストーリーを通して、スピーチする人物の苦悩を知ることになります。
そういった背景を把握しているからこそ、スピーチの言葉が刺さります。
とくに厚志の最後のスピーチは、本当に演説の場にいるような感覚で読めてズルいくらい感動します。
特徴・感想③:スピーチライターの入門書
スピーチの極意 十箇条
『本日は、お日柄もよく』冒頭より
一、スピーチの目指すところを明確にすること。
二、エピソード、具体例を盛り込んだ原稿をつくり、全文暗記すること。
三、力を抜き、心静かに平常心で臨むこと。
四、タイムキーパーを立てること。
五、トップバターとして登場するのは極力避けること。
六、聴衆が静かになるのを待って始めること。
七、しっかりと前を向き、右左を向いて、会場全体を見渡しながら語りかけること。
八、言葉はゆっくり、声は腹から出すこと。
九、導入部は静かに、徐々に盛り上げ、感動的に締めくくること。
十、最後まで、決して泣かないこと
スピーチライターの仕事が具体的にわかるように、職業の心得やテクニックがあちこちに散りばめられています。
たんなる小説ではなく、「プレゼンがうまくなりたい」という悩みを解決できる一冊でもあります。
まさにスピーチライターの仕事に興味がある人にはうってつけです。
小説なので脚色されている可能性はありますが、すごく魅力的な仕事だということがわかります。
最後に

ここまでお読みいただきありがとうございます。
『本日は、お日柄もよく』はぼくの大好きな小説です。
定期的に再読して何度も感動にふけることができますので、Amazonや楽天でポチってみてください。