みなさんこんにちは。サイジです。
こちらのご要望を解決していきます。
『店長がバカすぎて』は以下にあてはまる方にオススメです。
「笑えるお仕事小説が読みたい」
「伏線の裏切りを楽しみたい」
「著者の早見和真が好き」
2020年の本屋大賞にもノミネートされています。
書店員さんからの評価も高く、なかには著者の早見さんが書店員だったのではないかと疑われるくらいリアルな仕上がりとなっています。
目次
あらすじ・構成

あらすじと構成をご紹介していきます。
あらすじ
書店員の谷原京子は武蔵野書店〈吉祥寺本店〉の契約社員。28歳独身。
年齢や薄給、店長がバカすぎてトラブルに見舞われて退職しようと思う毎日。
それでも辞めずに働き続けられるのはあこがれの先輩社員、小柳真理がいるから。
しかしある日、小柳から「辞めることになった」と言われ、あっさり退職してしまう。
心のよりどころを失って呆然とする京子にバカ店長の”非”敏腕ぶりが襲いかかる。
笑えて共感できるお仕事小説です。
構成
『店長がバカすぎて』は全六話の短編で構成されています。
第一話 店長がバカすぎて
第二話 小説家がバカすぎて
第三話 弊社の社長がバカすぎて
第四話 営業がバカすぎて
第五話 神様がバカすぎて
最終話 結局、私がバカすぎて
一話ごとに完結しますが、各話に伏線が散りばめられていて最終話に向かうほど徐々に回収されていきます。
どの話でも京子の切れ味の鋭い、店長への悪口のセンスが光っているのでついつい読み進めてしまうような感覚ですね。
著者紹介

著者の紹介をしていきます。
早見 和真(はやみ かずまさ)
1977年、神奈川県生まれ。2008年『ひゃくはち』でデビュー。同作は映画化、コミック化されベストセラーとなる。14年『ぼくたちの家族』が映画化、15年『イノセント・デイズ』が第68回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。テレビドラマ化もされ大ベストセラーとなる。他の著書に『小説王』『かなしきデブ猫ちゃん』(絵 かのう かりん)などがある。
『店長がバカすぎて』より
著者の早見さんの名前を知らなくても『イノセント・デイズ』は聞いたことがある人が多いんじゃないでしょうか?
40万部越えのベストセラーになった作品でwowowで妻夫木聡さんが出演し、話題となりました。
『店長がバカすぎて』は日常生活に寄り添った生活なので、共感できるという意味ではかなり読みやすい作品です。
早見さんの作品の幅広さがうかがえます。
『店長がバカすぎて』の特徴・感想

『店長がバカすぎて』の特徴・感想を3つにまとめました。
特徴・感想①:ボケとツッコミの際立ち
特徴・感想②:確立されていく仕事観
特徴・感想③:本が好きだという気持ちを再認識できる
一つずつ解説していきます。
特徴・感想①:ボケとツッコミの際立ち
〈武蔵野書店〉吉祥寺本店が誇る「非」敏腕。山本猛という名前ばかり勇ましい店長が、人をいらだたせるという意味では百点満点の笑みを浮かべている。
『店長がバカすぎて』p7より
「例の件って何ですか?」と尋ねた私に、店長はへらへら笑いながら言い放った。
『店長がバカすぎて』p61より
「あ、それは朝礼のときにみんなに言うから大丈夫です。楽しみは取っておきましょうよ。谷原京子さん、せっかちなんだからぁ」
(中略)
もう早速びっくりだ。だったら話しかけてくるんじゃねえよ!
『店長がバカすぎて』で笑えるポイントは3つあります。
①店長のバカな言動
②京子の悪口のセンス
③店長と京子のボケとツッコミ
『店長がバカすぎて』はずっとショートコントを見ている感覚に近いですね。
店長がバカな行動をしたり言ったりしているのを、京子が鋭い悪口でツッコんでいく。
悪口のセンスも抜群なのでいつまでも読んでいられます。
会話に挟まる地の文も絶妙な間を生み出し、笑いを増幅させる効果があります。
特徴・感想②:確立されていく仕事観
それでも結局書店で働いているということは、こうして好きな本の話ができる人と、たとえ違う会社であったとしても、思い存分語り合うことができるからだ。
『店長がバカすぎて』 P151より
それがやりがいの搾取というなら、きっとそうだ。だけど、この言葉でしか表せない。私たちは本が好きだから、本好きの仲間たちと書店という場所で働いている。
私がこんなふうに日々の理不尽に耐えられるのは、当たり前だけど幸せになりたいからだ。
『店長がバカすぎて』 P268より
仕事をする読者にとって『店長がバカすぎて』は共鳴できる部分も多く含まれています。
京子は店長のバカな言動や書店内外のトラブルに振り回され、何度もやめようと思います。
そのなかで人々と出会い、自分がなぜ書店で働き続けられるのかという答えがわかってくるんです。
仕事で苦悩している人にとっては、本書は仕事観を再構築するきっかけになるのではないでしょうか。
特徴・感想③:本が好きだという気持ちを再認識できる
物語の持つ力の一つは「自分じゃない誰かの人生」を追体験できることだ
『店長がバカすぎて』 p45 より
小説に出てくる書店員のようにキラキラはしていないけれど、本の話をしているときだけはきちんと胸が弾んでいる。
『店長がバカすぎて』 p151より
読書好きの人は「ああ、やっぱり本ってこういう良いところがあるよな」と共感できます。
『店長がバカすぎて』を読みながら本が好きだという情熱が盛り上がるので、本好きにはたまらない一冊です。
最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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