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【2020年本屋大賞ノミネート】『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』の書評・レビュー

みなさんこんにちは。サイジです。

読書で悩む人
読書で悩む人
『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』の内容をネタバレしない程度に知りたい

こちらのご要望を解決します。

以下にあてはまる方は、『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』をオススメします!

「何度も裏切られたい」
「倒叙の小説が好き」
「気軽に読めるミステリ小説が好き」

2020年の本屋大賞にノミネートされただけでなく、このミス、本ミス、ベストブックでトリプル1位を獲得した話題本です。

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』の紹介

さっそく、『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』の紹介をしていきますね。

①あらすじ

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた――。

講談社ノベルズより http://kodansha-novels.jp/1909/aizawasako/

霊媒×探偵という特殊設定は、あの科学者×探偵のガリレオを彷彿とさせます。

②構成 展開の説明

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』は4話構成です。

プロローグ
第一話 泣き女の殺人
インタールードⅠ
第二話 水鏡荘の殺人
インタールードⅡ
第三話 女子高生連続絞殺事件
インタールードⅢ
最終話 VSエリミネーター

短編集のようになっています。

インタールードが最終話に向かううえで重要な場面となっており、話のあいだにある連続殺人事件が起こっている様子が描かれています。

③評価

読みやすさ:★★★★☆
おもしろさ:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆

文章体は易しいです。全380ページですが、会話文が多くあるので1ページあたりの文章はさほど多くありません。

4話に分かれていてそんなに長くないので、かなり読みやすい仕様になっていますね。

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』の著者紹介

つづいて、『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』の著者をご紹介します。

相沢 沙呼 (あいざわ さこ)

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2011年「原始人ランウェイ」が第64回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作、2018年『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補作となる。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化が発表された。

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』より

著者の相沢さんは、以下のようにコメントを寄せています。

少し変わった設定のお話ではありますが、そこに自分なりの本格のエッセンスを取り入れてみました。

講談社ノベルズより http://kodansha-novels.jp/1909/aizawasako/

相沢さんはミステリを書く才能がないのではないかと悩んでいたそうです。

しかし、『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補作となったことをきっかけに、

ご自身なりの本格ミステリを追求した結果、『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』という素晴らしい作品が生まれました。

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』の特徴・感想

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』の特徴・感想を3つにまとめました。

特徴・感想①: 短編構成で読みやすい
特徴・感想②:すべてが、伏線。
特徴・感想③:キャラ負けしない本格ミステリ小説

ひとつずつ解説していきます。

特徴・感想①:短編構成で読みやすい

一話ごとに別の事件を取り扱っているので、冗長にならず難しい論理に挫折する前に読み切ることができます。

「探偵小説は好きだけど、長編は難しくてニガテ」という方でもかなり読みやすい作品です。

特徴・感想②:すべてが、伏線。

「きっと、最期は死神に首を刎ねられるのでしょう。その予感が、少しずつ膨れあがってくるのを感じます」

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』p134より

城塚翡翠という濃いキャラを活かしたり、ミステリらしく文章中に忍ばせたりと伏線の置き方が秀逸です。

読んでいると印象に残る会話文があります。

それは必ず後々生きてくる伏線になるので、ワクワクしながら読み進めてみてください。

特徴・感想③:キャラ負けしない本格ミステリ小説

「わたしのせいです。わたしの、呪われた血が……。そうです……。わたしが……わたしが、殺されてしまえばよかった。この血のせいで報いを受けるなら、わたしは今日死ぬべきだったんです! こんな……、こんな、価値のない人間なんて」

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』p226より

表紙はかなりキャラ押しなため、手に取るのを躊躇しました。

作中にも城塚翡翠の濃いキャラが反映されています。

が、どっしりとした論理構築に事件解決の聡明さを際立たせる筆力でキャラ負けしない素敵な作品となっています。

最後に

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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