こんにちは。サイジです。
本記事ではアメリカのペプシコの配当金・利回り・増配率と銘柄分析の結果をを解説していきます。
こちらの疑問にお答えしていきます。※投資は自己責任でお願いします。
①2003年頃から配当金が増加し続けており、直近10年間の利回りは2.5~3.5%を推移している
②株価はS&P500に比べて劣るが、過去30年間上昇している。
③財務諸表の銘柄分析結果では~~~~~~
常にコカ・コーラ社を追い続けるペプシコ。それでもペプシコーラやトロピカーナなど、生活に根付いた商品を数多くそろえており、業界内でも有利な立ち位置にいます。
目次
ペプシコの配当金・利回り・増配率
ここからはペプシコの配当金・利回り・増配率を詳しく見ていきます。
ペプシコの配当金・利回り


ペプシコの増配率


2012年からの10年間は増配率も安定しています。
ペプシコ社の事業内容・商品

世界的な食品・飲料メーカーであるペプシコの銘柄分析から投資是非の結果を探ります。
ペプシコは200以上の国に商品を販売している世界2位の飲料メーカーです。日本ではペプシコーラのイメージが強いですが、スナック菓子も製造・販売しています。
・ペプシコーラ
・トロピカーナ
・ゲータレード
・リプトン
・レイズ(アメリカで最も売れているポテトチップス)
ペプシコの銘柄分析
ペプシコの株価・時価総額

S&P500に比べるとパフォーマンスは劣りますが、きれいな右肩上がりをしていますね。
リーマンショックやコロナショックで一時的に下がるもすぐに盛り返しています。
2022年1月10日現在の時価総額は240.692(十億 USD)です。株価の割安・割高を判断できるバフェット指標で計算すると約1.15となります。1を超えると暴落する可能性があるとされています。
当該国の株式時価総額÷当該国の名目GDP×100
ペプシコの財務諸表を用いた銘柄分析
僕の分析は主に「バフェットの財務諸表を読む力」に基づいています。
ウォーレンバフェット流の分析では、その企業に永続的競争優位性があるかどうかを見極め、投資の判断を行っていきます。
まず競争優位性とは、文字通りその企業が他の企業との競争に優位に立てている状態のことを言います。その状態が今後も続いていくだろう企業に対して「永続的競争優位性を持つ」と投資の神様、ウォーレン・バフェットは表現しています。
それでは損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書とパートを分けて財務諸表の分析結果を解説していきます。
ペプシコの損益計算書
まずは損益計算書から確認していきます。
粗利益率、純利益、純利益率の推移

粗利益率は10年以上55%前後を推移しています。
さすが飲料メーカー世界2位。素晴らしい数値です。
純利益の額や売上高に占める割合では不安定さはないですが、永続的競争優位性を持つ可能性があるとされる基準には至っていません。
粗利益に占める販管費、研究開発費、減価償却費の割合

粗利益に占める販管費の割合が70%を前後しています。決して低くはないものの、10年以上一貫した割合となっています。ペプシコの販売戦略上、広告費を中心とした販管費が多くなりますが、厳しい競争にさらされているわけではないことを示しています。もちろん飲料業界は競争が激しいですが、有名商品が多く、売り上げの浮き沈みがしにくいことを表していますね。
ペプシコの粗利益に占める研究開発費や減価償却費はとても低い水準で一貫して推移し続けています。ここからも競争の中で有利な地位を築けていることが言えます。
営業利益に占める支払利息の割合

10年間15%を超えたことは一度もありません。優秀ですね。
PER(一株当たり利益の推移)

PER=当期純利益÷発行済み株式総数。PERが高いほど、株価も高くなる
ペプシコはきれいな右肩上がりは描けていません。ですが、2018年に上昇し、右肩上がりが形成されつつあります。今後に期待ですね。
P&Gの貸借対照表
続いて貸借対照表の項目に移ります。
現金・現金同等物、純利益、棚卸資産の推移比較

現金・現金同等物の保有の多さは不況でも乗り越えられる体力のようなものです。
ペプシコの現金保有は他社と比べ、圧倒的な数値ですね。
同じような推移ではないですが、純利益は2018年から、棚卸資産は2016年頃から増加し始めていますね。
総売上高に占める売掛金の割合

商品やサービスを後払いとして取引すること
ペプシコは10年間ほとんど同業他社平均を上回っているので、ここで他社との優位性は見つけられません。
土地および生産設備、のれん、無形資産の推移

ペプシコの有形固定資産は2016年頃から増加に転じていますが、急激な上昇ではないので競争にさらされて経費を費やさざるを得ない、というわけではないと考えます。
のれん代:ある企業を買収するとき、帳簿価額(買収される企業の純資産)よりも高い代金を払った場合、超過分がのれん代に載る
無形資産:特許やブランド名など、物理的に手に触れることのできない資産のこと
のれん代・無形資産ともに2016年頃から増加していますね。自社で構築された無形資産を貸借対照表に乗せることができないので評価が難しいです。
ただ、ペプシコは戦術の紹介のとおり、ペプシコーラやレイズなどすでに人々の生活に根差し、愛されている商品を多くそろえているので有利な立ち位置にいると言えます。
ROA(総資産利益率)、ROE(株主資本利益率)の推移

総資産利益率。企業が効率的に資産を使用しているかを示す。
自己資本利益率(株主資本利益率)。企業が内部留保を有効に使っているかを示す。
ROAは必ずしも高い方が良いとは限りません。
〈コカ・コーラは430億ドルの資産にたいして総資産利益率が12%、(中略)〈ムーディーズ〉は17億ドルの資産にたいして総資産利益率が43%である。(中略)たとえば〈コカ・コーラ〉に対抗すべく430億ドルを集めるのは不可能だが、〈ムーディーズ〉に対抗すべく17億ドル集めるのは、可能な範疇に入ってくる。(中略)〈ムーディーズ〉の根源的経済性は〈コカ・コーラ〉よりもはるかに脆弱と言える。なぜなら、業界への参入コストが著しく低いからだ。
「バフェットの財務諸表を読む力」より
ペプシコのROAはほぼ業界平均ですが、業界への参入コストの壁が高いのであまり問題ないと考えます。
一方ペプシコのROEは業界平均ROEより高いです。本業で得て蓄えた内部留保から適切に使用していることを示しています。
自己株式調整済み負債比率と内部留保

ペプシコの自己株式調整済み負債比率はかなり低い水準で推移しており、内部留保も着実に積み増しされています。
長期借入金と短期借入金の推移

2020年の長期借入金が約40000、純利益が約7000で、6年で返済できます。近年は長期借入金が増加しているので返済できる期間が延びてしまっています。
短期借入金はほとんどしていないので大丈夫そうです。
キャッシュフロー計算書
最後にキャッシュフロー計算書の項目を確認していきます。
純利益に占める資本的支出の割合と自社株買いの推移

年間の割合が50%以下、なかでも25%以下ならさらに永続的競争優位性を持つ可能性は高くなります。
ペプシコは2015年頃から50%を超えることが多くなり、優位性が揺らぎつつあります。
一方自社株買いは毎年行われていますね。配当は受け取り主が税金を払う必要があります。ですが自社株買いによって発行済み株式総数を減らし、1株当たり利益を増加させると、利確しない限り株主は税金なしで富を得られます。
ペプシコの財務諸表分析まとめ
【損益計算書】 | PEP |
粗利率40%以上 | 〇 |
粗利に占める販管費の割合が一貫しており、かつ低い。 | △ |
粗利に占める研究開発費が少ないor0 | 〇 |
粗利に占める減価償却の割合が低い | 〇 |
営業利益に占める支払利息の割合が15%以下 | 〇 |
純利益ー(特益+特損)が右肩上がりか | ー |
純利益が右肩上がりか | × |
売上高に占める純利益の割合が20%以上 | × |
1株当たり利益の長期的推移(継続して増加しているか) | △ |
【貸借対照表】 | |
現金保有の多さ | 〇 |
棚卸資産と純利益がともに増加する傾向 | △ |
売上高に占める売掛金の割合が同業他社よりも低い | × |
のれん代が増加している | △ |
無形資産が増加している | △ |
あまりに高い総資産利益率は競争優位性の脆弱さを表している場合がある | × |
長期借り入れをすることがほとんどない。もしくは0 | × |
短期借入金が長期借入金を上回っていない | 〇 |
自己株式調整済み負債比率が0.8以下 (自社株式を加えた値を元に負債合計/純資産合計) | 〇 |
優先株を発行しない | 〇 |
内部留保(利益剰余金)の長期的かつ着実な増加 | 〇 |
株主資本利益率が平均よりも高い | 〇 |
【キャッシュフロー計算書】 | |
資本的支出が低くなる(純利益50%以下、25%以下) | △ |
自社株買い | 〇 |
さあ、まずは証券口座を開設して投資の準備を始めましょう。