こんにちは。サイジです。
本記事ではウォルマートの配当、株価上昇率や銘柄分析の結果から、今後の投資価値を探っていきます。
こちらの疑問にお答えしていきます。※投資は自己責任でお願いします。
①ウォルマートの株価上昇率はS&P500より下回っている
②配当は10年間増え続けている
③世界最大の小売でEC事業にも注力し、伸びしろがある一方アマゾンなどの競合が懸念
目次
ウォルマートの配当・利回り


①配当は10年以上増配を続けている
②2015年を境に利回りは減少気味
ウォルマートの株価上昇率・時価総額

ウォルマートの株価上昇率と時価総額を解説していきます。
ウォルマートの株価上昇率

ウォルマートの株価上昇率はS&P500より下回っています。
ナイキの時価総額
2022年6月16日現在の時価総額3361億ドルです。株価の割安・割高を判断できるバフェット指標で計算すると約1.60となります。
1を超えると割高、下回ると割安と言われているので、少し割高な数値が出ています。
当該国の株式時価総額÷当該国の名目GDP×100
ウォルマートの事業内容

ここからはウォルマートの事業内容について解説していきます。
事業内容
ウォルマートは、世界一位の小売企業です。日用品や野菜など多岐にわたる商品を販売しています。一時期、西友の株式も取得していました。
近年ではEC事業にも力を入れており、アマゾンと激しいしのぎを削っています。
ウォルマートの銘柄分析

ここからは、ウォルマートの財務諸表からの銘柄分析の結果をまとめていきます。
財務諸表を用いた銘柄分析
僕の分析は主に「バフェットの財務諸表を読む力」に基づいています。
ウォーレンバフェット流の分析では、その企業に永続的競争優位性があるかどうかを見極め、投資の判断を行っていきます。
まず競争優位性とは、文字通りその企業が他の企業との競争に優位に立てている状態のことを言います。その状態が今後も続いていくだろう企業に対して「永続的競争優位性を持つ」とウォーレン・バフェットは表現しています。
それでは損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書とパートを分けて財務諸表の分析結果を解説していきます。
ウォルマートの損益計算書
まずは損益計算書から確認していきます。
粗利益率、純利益、純利益率の推移

粗利益率が25%前後で推移しています。
永続的競争優位性を持つ要素としては当てはまることになりません。
純利益も純利益率も永続的競争優位性を持つ要素としては当てはまりません。
粗利益に占める販管費、減価償却費の割合

減価償却費率は低いものの、販管費率高くて微増し続けています。
営業利益に占める支払利息の割合

10年間15%を下回っていますが、徐々に増加していますね。今後の数値結果は気にしておく必要があります。
EPS(一株当たり利益の推移)

EPS=当期純利益÷発行済み株式総数。EPSが高いほど、株価も高くなる
EPSは右肩上がりではありません。
損益計算書では、どの項目も永続的競争優位性を持つ要素は見られませんでした。
ウォルマートの貸借対照表
続いて貸借対照表の項目に移ります。
現金・現金同等物、純利益と棚卸資産の推移比較

ウォルマートの現金保有は業界平均を大きく上回っています。10年以上他社を圧倒しています。
棚卸資産が微増を続ける中で純利益は微減や横ばいの推移となっています。同じような推移をたどっていませんでした。
総売上高に占める売掛金の推移

商品やサービスを後払いとして取引すること
売掛金の割合は一貫して他社より下回っています。取引を有利に進められていることがわかります。
土地・生産設備、無形資産、のれん代

土地や生産設備は2017年、18年を除きほぼ横ばいの数値となっています。
のれん代:ある企業を買収するとき、帳簿価額(買収される企業の純資産)よりも高い代金を払った場合、超過分がのれん代に載る
のれん代も2019年に増加していますが、それ以外はほぼ横ばいです。ただ企業買収は継続的に実施しているようです。
ROA(総資産利益率)、ROE(株主資本利益率)の推移


総資産利益率。企業が効率的に資産を使用しているかを示す。
自己資本利益率(株主資本利益率)。企業が内部留保を有効に使っているかを示す。
〈コカ・コーラは430億ドルの資産にたいして総資産利益率が12%、(中略)〈ムーディーズ〉は17億ドルの資産にたいして総資産利益率が43%である。(中略)たとえば〈コカ・コーラ〉に対抗すべく430億ドルを集めるのは不可能だが、〈ムーディーズ〉に対抗すべく17億ドル集めるのは、可能な範疇に入ってくる。(中略)〈ムーディーズ〉の根源的経済性は〈コカ・コーラ〉よりもはるかに脆弱と言える。なぜなら、業界への参入コストが著しく低いからだ。
「バフェットの財務諸表を読む力」より
ROAは平均より高いですが、業界平均より4倍近く現金保有をしているので問題ないと考えられます。
ROEは2017年以降、他社平均と差を開けられており、永続的競争優位性を持つ要素としては物足りない結果となっています。
内部留保と自己株式調整済み負債比率

内部留保は増減を繰り返しています。
自己株式調整済み負債比率は一貫して0.8を大きく上回っております。
短期借入金と長期借入金の推移

2021年の長期借入金が約40000、純利益が約13000です。
約4年で返済できる状況ですので、リスクとは考えにくいですね。
ウォルマートのキャッシュフロー計算書
最後にキャッシュフロー計算書の項目を確認していきます。
純利益に占める資本的支出の割合の推移

全体的に高い割合で推移しています。
自社株買いの推移

自社株買いは毎年行われているものの、年々減少傾向にあります。
ウォルマートの財務諸表分析まとめ

①ウォルマートの株価上昇率はS&P500を下回る
②配当額はリーマンショックやコロナショックでも増加し続けており、安定している
③永続的競争優位性を持つ要素はあまり見られず、長期的株価投資としては魅力的ではない。
まずは証券口座を開設して投資の準備を始めましょう。